平 成1 6 年 度 J A H IS 中期計画
I T 活用による保健医療福祉サービスの飛躍的発展を 目指し て
平成1 6 年1 0 月2 6 日 運営幹事会承認
目 次
1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2.動向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2−1 外部環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2−2 考慮すべき視点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・ 2 3.方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 4.分野別年度計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4−1戦略企画関連事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4−2医事コンピュータ関連事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 4−3標準化・医療システム関連事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・12 4−4保健福祉システム関連事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 4−5事業推進関連事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 5.組織運営計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 5−1運営方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 5−2事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 6.予算計画
(省略:詳細は事務局にご確認下さい)
1. はじめに
J A HIS では平成14年度より各部門の活動を、J A HIS 全体として捉えた活動計画を中期計画として設定 し、その計画に沿って平成15年度、平成16年度と事業計画を策定し実施してきた。その結果、標準化 活動、電子カルテとレセ電算処理の普及活動および 新規事業の展開等にその成果がかなり明確に現 れつつある。
戦略企画部では継続した J A HIS 活動の充実・強化を図るため、昨年に引き続き3カ年を期間とする中 期計画を設定し、J AHIS の全体戦略に基づく活動計画を策定することとした。
中期計画策定の目的は以下の通りである。
(1) J AHIS 全体としての中期重点方針を明示し、各領域における活動の基軸とすること。
(2) 各領域の重点課題について3カ年の見通しを明 らかにし、これ を各部門の次年度事業計画に 反映すること。
(3) J A HIS 全体としての中期的課題について必要な調整を行い、各部門の次年度事業計画に反映 すること。
(4) 部門間で協同して改善すべき課題について、活動を促進し調整すること。
(5) J AHIS の意思を内外に明示し、統一した広報活動を実現して事業環境改善に資すること。 本年度は、昨年度計画 を基に見直し検討を行い、平成17年度から平成19年度の3カ年 を計画期間 とし、以下の通り中期計画を立案した。
2. 動向
2−1 外部環境
ここ数年来の行政の動きは e- J apan 計画を頂点とした IT 化戦略に絡めて、行政改革3ヵ年計画、経 済財政諮問会議等 で医療に関する効率化、IT化が指摘されて来た。それらの要求に答えるべく、医療 情報に関して「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」(以下、グランドデザイン)が厚生 労働省より提言され(2001年12月策定)、3年が経過しようとしている。
さらに、行政改革の一環としてDPCの施行、国立病院の独立法人化、レセプトの審査・支払業務の保 険者自らもしくは 第3者(民間)への委託を可能とする等、大きな変化が現れつつある。また、今後の医 療行政に向けて「医療制度改革推進本部 」の検討結果を踏まえて、診療報酬体系の見直し、IT化費用 の把握等が中央社会保険医療協議会 の場で検討が進められることになっている。
グランドデザインの中で一貫して述べられていることは 医療の質の向上、効率化、安全性確保、情報 提供等の課題に対して医療の IT 化は不可欠であり、手段として電子カルテ、レセ電算処理システムの 普及推進を具体的に目標設定をして示しており、最終的に E BM の実現に向けて医療の IT 化を展開す ることを示している。
グランドデザイン の推進に向けて、厚生労働省の平成12年度オーダリング、平成13年度、 14年度の電子カルテに対する補正予算が既に施行された。平成15年度、16年度には、厚生 労働科学研究「医療技術評価総合研究」の「標準的電子カルテの開発」が厚生労働省を中心とし て勢力的に展開されている。また経済産業省では、「保健医療福祉分野における標準化事業」の
「介護システムの標準化」、「 日本版IHE−Jのあり方に関する研究」、「 健康サービス産業創出 支援事業」、「医療情報システムにおける相互運用性の実証事業」等の事業が推進されている。
日本医療情報学会 では「医療情報技師」検定が2年目となり、医療情報技師育成 の教育事業が 予想を上回る参加人員を集め各地で開催される等医療情報への関心が高まっている。
国際的には、ISO/TC215に新規WGが数多く設置され活動が活発化している。また韓 国における、医療情報の電子化の急速な伸びや、昨年4月より施行された米国「HIPAA」法 の行方等が注目される。
医療分野のIT化がいろいろな場で議論される際に、共通して言われることは、①価格問題② 効果問題(効果、メリット)③標準化問題(インターフェース、用語・コード)の3点である。 さらに昨今は医療安全でのITへの期待などもあり、これらの課題に対する認識を行政、医療機 関、業界のお互いの立場から理解し、コンセンサスを得ることが重要であり、解決に向けて努力 する必要がある。
2−2 考慮すべき視点
関連する外部環境を以下の2つの視点からJ AHIS として対応すべき項目、もしくは検討すべき項目に 整理すると次のようになる。
1)市場・事業環境
①グランドデザインのマイルストーン実現に向けて電子カルテシステム、レセ電算処理システムの普及 推進活動が継続実施され、今折り返しでの見直し時期にきている。
②医療の IT 化推進に関する費用負担問題も、グランドデザインで提起されている。最近の検討会、中 医協、医療情報学連合大会等で情報化費用の負担や費用把握が検討話題になっている。検討の 際、市場構造が他の産業分野と異なる点、また行政、医療機関、患者の3者の便益を明確にする点 等に留意する必要がある。
③医療 IT 化に際し、外部から指摘されているシステムの費用(価格)について、その内容とコスト要因 をシステムの効果・効用と合わせ、行政および 医療機関に説明し、相互の理解を得る必要がある。
④電子カルテシステムの推進に新しい動きとして、従来の情報システムを扱う大手メーカー の他に新 規又は異業種より(J AHIS 未加盟が多い)の参入やユーザー である医療機関の参入が注目される。
⑤電子カルテ等名称が先行して共通な商品イメージが未定着であるが、電子カルテの定義が医療情
報学会より出され、またISO/TC215の分科会や欧州のCENなど、世界のいくつかの団体ではEH Rの標準化として検討されている。欧米先進国では 2005 年に向け、電子政府プロ シ ゙ェクトにエ ン タ ー プラ イ ス ゙ア ー キ テ クチ ャー (E A )を採用、10 年先を見据えて社会基盤の確立と合せ標準的電子カ ル テ シ ス テ ム (EH R)の開発が数千億円規模で進められている。
⑥ユーザである医療機関側に情報システムを導入し、設計し、運用を推進する母体が他の分野の IT 化推進状況 に比べ、大規模病院の一部を除き、一般に極めて弱い状況にあるのは変わらない。 2)標準化
①電子カルテシステムの普及に関連して、①データの有効活用・共通利用②システム開発の効率化
③複数ベンダーによるシステム構築の実現のために標準化が強く求められており、接続インターフ ェースの標準化、データの互換性(可用性)・閲覧・利用性、用語・コードの標準化が重要課題となっ ている。
②ブロードバンド通信基盤が急速に整備され通信スピードの向上と通信コストの低減が進み、情報に 対するセキュリティ確保が望まれている。
③医療情報取扱い関連規約の国際/国内標準化に対する取り組みが国全体として弱く、J A HIS に対 する期待が極めて大きくなっている。
④電子カルテ普及検討が進むにつれ、標準的電子 カルテの開発に向けての動きが行政、学会、産業 界一体となった活動として展開されている。その中で、基本となる S/ W パッケージ の開発と実証が 進められている。
⑤標準化された仕様の実装が進んでいないとの 指摘があり、標準化された仕様の普及策が望まれて いる。
3.方針
商品の有用性を継続的に享受するためには、市場が形成され、健全な競争のもとに、より良い商品が 豊富に供給されることが必須であり、企業活動の目的はこのような 市場創造・市場拡大にある。会員企 業の集合体である J AHIS の主たる目的もまた、会員企業が共同して行うことが効果的である活動を行い、 市場創造・市場拡大の実現を通じて国民の健康で豊かな生活の維持向上に寄与することにある。
品質 の向 上や コスト低 減 を始めとするより良 い商 品の供給 に努 力することは 当然 のことであるが、 J AHIS が対象とする保健医療福祉情報システム市場は、以下に述べるような他の産業分野と異なる事 業環境があり、これにも留意しつつ市場創造・市場拡大を実現し、国民の健康で豊かな生活の維持向 上に寄与しなければならない。
第一は、IT 活用に対する経済循環の状況である。一般産業分野では、ユーザが商品を活用して価値 の創造、競争力の強化を行い、獲得した成果から、より良い商品を購入するという経済循環に特別な制 約は無く、企業は市場の要望にあった商品の供給によって市場創造・市場拡大を実現することができる。 しかし、J AHIS 活動の対象領域である保健医療福祉サービスは、社会保障基盤の一つであるため経済 的側面を含めて行政施策でその枠組みが定められている。この枠組みには 、保健医療福祉サービス全 体の IT 活用成果をIT化へ再配分する機能が極めて不十分であり、これを改善しなければ市場創造・市 場拡大を実現することは 困難である。
第二は、IT を活用する体制の状況である。前述のように 、保健医療福祉サービス分野では行政施策 が情報システムの要求仕様に大きく関与してくるが、疑義解釈を必要とする診療報酬請求制度、公示か ら施行までが短期間であること、レセプト電算処理における一部の用紙による請求など、医療保険関係 を始めとして行政の諸制度や活動は必ずしもIT の効果的な活用を想定したものとなっていないため、コ スト上昇や効果的な商品提供の障害となっている。一方、サービス提供機関はその専門性から他の産 業に比べIT活用手法への理解が十分とは言えない状況にあり、コスト上昇や効果的な商品提供の障 害となっている。このことはまた、ソフトウェアやサービスなど無形の商品に対する価値が適正に評価さ れ難い傾向をもたらしている。このような状況を改善しなければ市場創造・市場拡大を実現することは 困 難である。
第三は、標準化推進の状況である。保健医療福祉サービスの質の向上と効率的な運用を目的として 施設間の連携と情報の蓄積・共有が推進されている。標準化はこれを実現する上で必須のものである が、保健医療福祉サービスは人の生命という複雑な情報を扱うこと、また、国民の多様な価値観への対 応を必要とすることから、技術面のみならず 医学的、社会科学的 な面も含めて標準化されなければなら ないという困難さがある。
行政は昨年、「e−Japan戦略Ⅱ」を打出し、IT革命として「構造改革」と「新たな価値の創造」の二 つを戦略的に提言し、「インフラの整備」から「ITを活用すること」に政策の軸足を移している。さらに新 戦略では、国民に身近で大きな効果が期待できる、「医療」を始めとする先導的7つの分野を挙げてい る。このように e−Japan戦略 Ⅱでは、従来のインターネット基礎整備から、より生活に密着した方向 に戦略が強化されている。 さらに、この秋からは e- J apan 戦略Ⅱ加速化パッケージや eーJ apan 重点 計画2004として、「IT を活用した医療情報の連携活用」や「電子カルテの普及促進」など個別テーマご とに具体的ガイドライン策定作業に入っている。
このような認識のもとに、以下をJ AHIS 活動の中期重点運営方針とする。 1)IT 費用再配分の社会的合意獲得
保健医療福祉サービスを効率的運用と質的向上を図る手段として IT の活用が不可欠という共通認識は 形成されつつある。これをさらに一歩進め、「そのためには、保健医療福祉サービス全体の IT 活用成果をI T化へ再配分する必要がある」との社会的合意を獲得するために以下の活動を行う。
(1)あらゆる機会をとらえてコンセンサス作りに努める。
(2)長期レンジでの活動が必要であり、関係省庁・機関への理解促進、研究機関への調査依頼など、 継続的に実施する。
2)IT 活用手法の普及促進
IT 活用の合理的手法に対する行政および サービス提供機関の理解を深めるために以下の活動を 行う。
(1)行政活動もIT活用を前提とすべきであることについて関係者に理解を求めるべく活動する。
(2)効果的な IT 化の手法についてサービス提供機関に理解を求めるべく活動する。
(3)無形商品の価値についてサービス提供機関に理解を求めるべく活動する。 3)標準化の推進
保健医療福祉分野におけるIT化の推進は、システム技術領域のみならず 学術や物流の領域 をも 含めた総合的な標準化が必須である。JAHIS会員にとって標準の採用は一時的にコストがかかる側 面があるが、中期的な観点からは 事業拡大とトータルコストの削減に資するものであり、ユーザからの 強い要望もあり積極的に推進すべき課題である。技術面のみならず 医学的、社会科学的な面も含め た標準化を推進するため、学識経験者の支援を得つつ、国内外の関連団体と密接に協力しながら以 下の活動を積極的に推進して行く。
(1)HE L IC S標準提案を前提とした J AHIS 標準制定とその普及推進の強化
(2)用語・マスタ等の制定とその普及推進
(3)標準的電子カルテシステムの開発・推進への参画
(4)システムの相互運用や IHE- J 等、標準化の実証事業への参画
(5)ISO/ T C 215、HL7等国際標準制定への参画
4. 分野別年度計画
4−1戦略企画関連事項 1)背景
わが国の医療サービス分野の課題は、患者ニーズの多様化、医療の高度化・専門化等が進む中で、 患者本位で、より質が高く効率的な医療を提供するための環境整備であると言われている。このような 課題を解決するためにはIT化が有効な手段であるとの認識から、IT戦略本部のe−japan重点計画20 04では、その先導的分野に「医療」が挙げられている。
このように 重要性が増す 医療サービス分野の IT 化の中で、J A HIS の基本スタンスは、これらの課題 に対応するため、行政、MEDIS - DC 、学会など関連機関の新しい体制・動きに呼応した、新たな施策提 言や対策をとる事である。
一方、IT化戦略として「保健医療福祉分野の情報化に向けてのグランドデザイン」が今後も軸となるこ とは明らかである。しかし、「グランドデザイン」では、今なお費用負担の問題が課題として残されている。 産業界としては、医療サービス分野の市場創造・市場拡大を図る上で、この課題を解決することが最も 重要であり、引き続き、医療サービス全体で得られる IT 活用の成果をIT化へ再配分することについて 社会的合意の獲得に努めなければならない。また、「グランドデザイン」は、IT の活用によってわが国の 医療サービス全体の質と効率の向上を実現しようとするものであることから、当然、行政活動の IT 化対 応も大きな要素であることが明らかになるであろう。このことによって、疑義解釈を必要とする診療報酬請 求制度、短期間の決定・施行期間、レセプト電算処理における書類併用などの、永年の懸案の改善に もまたとない機会である。
グランドデザインも3年目が経過する見直し時期になり、システム相互の接続性・データの互換性(可 用性)、マルチベンダー 化の促進などシステム標準化を前提にした諸対策や、医療安全のためのITの 活用、平成17年4月から施行される改正薬事法への配慮など、新たに顕在化してきたこれら課題への 対応も求められている。
さらに、J A HIS の対象分野のユーザである医療機関は医療関連の専門職で構成されていることもあっ て、他の産業界に比べ情報関連に対する専門職が十分と言えない状況にある。また、一般産業界では ソフトウェアやサービスなど無形商品はますます 重要なものと認識され、その価値についても適正な評 価を受ける状況となりつつあるが、医療の分野では未だそのような状況にない。このような状況について もユーザの理解を深め事業環境の改善を図らなければならない。
これらの改善は、単に医療サービスの市場創造・市場拡大のみならず 、今後さらに発展が期待される 保健福祉分野の IT活用の基本的な考え方としても定着させることとなり、事業環境の改善に大きく貢献 するものである。
2)方針
以上のような背景認識のもとに、以下の方針で活動を行う。
(1)学識経験者と協調し、「グランドデザイン」は行政活動も含めた医療サービス全体の事業構造改革 であり、得られる質の向上と経済効果から医療機関へ IT 費用を再配分すべきであるとの理論構築を 行う。
(2)効果的な IT 化の手法について行政及び医療機関に理解を求めるべく活動する。
(3)IT 化のさらなる普及促進のため、標準化の推進と普及の仕組み作りを行う。
(4)ソフトウェアやサービスなど無形商品の価値について医療機関に理解を求めるべく活動する
(5)これらについて広報活動等の情報発信を積極的に展開して国民の理解を図る。
(6)活動の確かな裏付けとして、工業統計調査を継続して実施する。
2)事業計画
課題 目標 方法 H17 H18 H19
1 市 場 拡 大 の た め の 財 源 確保
グランドデザイ ン実 現 の 財 源 確 保 に つ い て の 社 会 的 合 意 の獲得
①経済効果の調査研究
② 関 連 団 体 との連 携 (5者 協 議 会 : 厚 生 労働 省 ・経 済 産 業 省 ・ ME DIS- DC ・J A MI・J A HIS など)
③行政の理解獲得
④広報活動の強化
① 調 査 研 究 体 制 の整 備
②5者協議会の実施
③行政との協議
④ ホスピタルショウ / 第 25回 医 療 情 報 学 連 合 大会での提言
① 調 査 研 究 拡 大 と成 果の広報
②5者協議会継続 ・充 実
③行政との協議継続
④ ホスピタルショウ/ 第26回医療情報学連 合大会活用など
①調査研究拡大 と成 果の広報
② 5者 協 議 会 継 続 ・ 充実
③行政との協議継続
④ ホスピタルショウ / 第 27回 医 療 情 報 学連合大会活用な ど
2 行 政 な ら び に 医 療 機 関 の 情 報 化 対 応の促進
行 政 活 動 は IT 活用を前提 とす べきとの合 意 獲 得 と効 果 的 IT 活 用 法 の 医 療 機 関 へ の 理 解 促進
①IT 化 阻 害 要 因の具体的整理 ・対 策案検討(診療報酬 ・薬事等法規
/制度、価格、医療安全、IT 人材 不足など)
②IT 化推進行政等 へのシステム品 質向上提言や改善提言
① IT 化阻害要因の具 体 的 整 理 ・対 策 案 検討
②IT 化推進行政等への システム品 質 向 上 提 言や改善提言
① IT 化阻害要因 の 具体的整理・対策 案検討継続
②IT 化推進行政等へ の システム品 質 向 上提言や改善提言
① IT 化阻害要因の 具 体 的 整 理 ・対 策案検討継続
② IT 化 推 進 行 政 等 へ のシステム品 質 向 上 提 言 や 改 善 提言
3 国 内 外 の 標 準 に 基 づ い たシステム標 準 化 の 推 進 と普及
標 準 化 の 推 進 体 制 強 化 と、そ の普及活用によ る、シ ス テ ム相 互 運 用 性・マル チ ベ ン ダ 化 の 実現
① 国内対策委員会への協力強化
② 国 のモ デ ル 事 業 の活 用 による標 準 化 推 進・普 及に関す る各社 の 協調
③ 国際標準化への発信と調和
① 国 内 対 策 委 員 会 へ の協力強化
② J A HIS 一 丸 体 制 によ る国 のモ デ ル 事 業 活 用 と各 社 シ ス テ ム 標 準 化推進
③国際標準化への発信 と調和
① 国 内 対 策 委 員 会 への協力強化
②J A HIS 一丸体制充 実 と国 のモ デ ル 事 業 活 用 での各 社 シ ス テ ム 標準化推進
③ 国 際 標 準 化 へ の 発信と調和
① 国 内 対 策 委 員 会 への協力強化
② J A HIS 一丸体制充 実と国 のモデル事 業活用 での各 社シ ス テ ム 標準化推進
③ 国 際 標 準 化 へ の 発信と調和
4 IT化 手 法 の 理 解 促 進 や 無 形 商 品 の 有 償 化 理 解 促進
行 政 及 び ユ ー ザの理解獲得
① ユ ー ザ団 体 と連 携 (日 本 医 療 機 能評価機構と医療安全・セキュリ ティなど)
② ユ ー ザ対応 の情報提供 と行 政 施 策への提 言(市場状況とりまとめ て提言)
③ IT 化等の広報パンフ等の作成
① 共 同 テ ー マ・基 準 の 検討
② ユーザ対応 の情報提 供と行 政 施 策へ の提 言
③ 広報パンフの作成
① 基準の整備
② ユーザ対 応の情報 提 供 と行 政 施 策 への提言
③ 広報の実施
① 基準の充実
② ユ ー ザ対 応 の情 報 提 供 と行 政 施 策への提言
③ 広 報 パンフ 見 直 し
④ 実施継続
5 市 場 形 成 基 礎 デ ー タ収 集・精度向上
実 市 場 に 合 っ た 工 業 統 計 把 握・蓄積
① 新 調 査 項 目 の分 類 検 討 と調 査 の実施
② 会 員 各 社 の回 収 デ ー タ精 度 向 上
①新調査項目 での売上 高調査・検証
② 回 収データ精 度 向 上 策検討
① 新 調 査 項 目 で の 売上高調査継続
② 回 収 デ ー タ精 度 向上策検討継続
③ 売 上 高 推 移 (3年 毎)編集
① 調 査 項 目 での売 上高調査継続
② 回 収 デ ー タ精 度 向上策検討継続
4−2医事コンピュータ関連事項 1)方針
保健医療分野での情報化に向けた活動指針は、行政発表の「グランドデザイン」や「e−J apan 戦略
Ⅱ」で明確に目標設定されている。この目標に向かって、医・官・学・産が具体的に普及推進を図ってい かなければならないが、これを推進する上での課題も多 い。医事コンピュータ部会の役割りは、この目 標達成に向けた普及推進活動と、それを推進するための具体的課題解決活動が最重点テーマである。 この重点テーマを推進する上での具体的推進内容 とその課題の概要を下記のとおり考える。
(1)保健医療情報 の標準化とマスタの整備
保健医療情報の標準化を推進していくために最 も重要なのが、マスタの標準化とその普及推進で ある。
診療報酬請求上の標準はレセプト電算処理システムの基本マスタであるが、診療行為における診 療報酬請求の標準化を推進するには必ずしも十分とは言えない。それを補う目的で開発されたのがJ AHIS標準マスタである。診療報酬改定時の対応をより確実にする上でもこのマスタの維持管理と普 及推進を図 っていかなければならないが、同時に権威 ある推進母体の確立に向けた活動を推進す る。
また、正確な保険請求を支援するという観点から、平成16年にリリースした保険者番号辞書 を安定 供給するための課題点を整理し改善するとともに、会員への普及推進を行う。
一方、電子カルテとの連携のための各種用語/コードの標準化活動も今後の重要テーマである。 本来マスタとは1つの対象に対して 1 つのコードだけですむ場合よりも、むしろ目的により複数の標準 が必要となる場合が多い。しかし、この様な場合であっても、それぞれの標準の間に整合性が取られ、 それぞれの関係が明らかになっていることが 重要である。診療報酬請求だけを捉えれば、レセプト電 算処理システムの基本マスタがその標準であるのは前述の通りであるが、これは日常の診療現場で は標準となり難い。日常の診療と診療報酬請求はそれぞれ目的が異なっているため、全く同一の標 準を適用することはかえって非効率である。しかし、これらの対応づけを明らかにすることで、お互い がそれぞれの立場で標準となり得るし、保健医療の情報化における電子カルテとレセプト電算処理シ ステムという2大テーマを普及推進する上でも、この標準化活動を積極的に推進する。
尚、一般病院への試行的適用 も始まった入院医療包括評価(診断群分類・DPC)における医事シ ステムのマスタ(DPC電子点数表)についても、継続的な調査研究と関連機関への意見具申を行っ ていく。
(2)標準化推進のための基盤の整備
近年、保健医療情報システムの一翼を担う電子レセプトシステムと電子カルテシステム等との連携に おいて、データ交換等の標準化の必要性が増してきた。この連携のあり方やマスタも含めた標準化に ついても医事コンピュータ側から見た整理を行っていく。
(3)レセプト電算処理システム の普及・推進活動と課題解決に向けた活動
現在、医科システムと調剤システムに関しては、普及推進のための説明会を審査支払機関、及び、 医師会、薬剤師会と共同で推進しており、『普及推進』と言う意味では効果が出ている。しかし、一方 ではグランドデザインで掲げている数字目標まで達成するためには、請求から審査支払機関、そして 保険者までの一貫した電子化の推進、また、それに伴う法整備の対応、診療報酬請求方法が異なる 自治体の保険制度の整備等が必要になってくる。これらに対する意見具申と具体的対応等、システ
医事コンピュータシステムの提供者においては 、診療報酬改定(DPCの見直しを含む)や介護報酬 改定情報の入手時期から施行までの時間が余りにも短いため、短期間に作業が集中し、かつ疑義事 項が解決しないまま改定ソフトやそれに対応したマスタの提供を余儀なくされているのが現状である。 ベンダ側やそれをサポートする代理店、また病院担当のSE等にとっては、改定対応期間中はすべて を犠牲にした就労を余儀なくされており、健康管理面、人事管理面でも問題となっている。この事が 結果的にユーザである医療機関に多大なご迷惑をかけることにもなりか ねない。「保健医療分野 にお けるIT改革」の立場から、改定対応等についての解決策を強く求めて行く。
(5)会員サービスの向上
医事コンピュータ部会の特徴である、診療報酬請求時の疑義事項や診療報酬改定時の情報提供 等、従来に増して提供情報の高度化・迅速化・多様化への対応が要求されている。これに対応すべく 関連機関との情報入手体制の整備、ならびに、一部の専門業務についてのアウトソーシング化等を 強化することにより、質の向上を図りさらなる会員サービスの向上を目指す。
2)事業計画
スケジュール
取組テーマ 共通課題 医事コン取組み項目 目 標 取組み内容・方法
17年度 18年度 19年度
J A HIS 標準 マスタ(診 療 行 為) の保守・普 及
・平成18年度・J A HIS 会員 40社 での 活用
・公的 マスタとしての位 置 づけを関 係 機関に働きかける
・拡販策 を実 施しながら、標準 マスタ会 員の評 価 をまとめ 、改 良 を行 いながら、普 及 に向け た啓蒙活動 を実 施する
・マスタ、メンテナンスツールについて支 払 基 金等へ意見具申 する
課 題 の整 理 及 び 改 良 内 容 を 決定し改良作業 に着 手 普 及 に向 けた啓 蒙 活 動 お よ び支 払 基 金へ の提言
普及に向けた啓蒙活動 定期改版
支払基金 への提言 の継続 法改定へ の対 応
普及に向けた啓蒙活動 支払基金 への提言 の継続
医薬品 マスタ、変換テーブル、 の継続的保守
・安定した維持管理 ・維持管理 の継続的実施 体制維持 と安定提供 課題等 の整理
体制維持 と安定提供 課題等 の整理
体制維持 と安定提供 課題等 の再 整 理
電子 レセプト・電子 カルテ用 語
/ コードの標 準 化 活 動 。手 術 処置、検査、薬 品、材 料 等。
・基本マスタとの対 応 付け支援 と普 及 推進活動 の実 施
・J A HIS 部会間、ME DIS−DC 等と連 携 を強 化 しマスタ項 目 検 討/整 理
・基本マスタをベースにした 対応付 けの支援
対応付け支援
普及に向けた啓蒙活動 改善提案
対応付け支援
普及に向けた啓蒙活動 改善提案
対応付け支援
普及に向けた啓蒙活動 改善提案
保険者番号辞書 の普 及 ・保険者番号辞書 の安定提供 ・安 定 提 供 のため、課 題 点 を整 理 し改 善 す る と共に、会員へ の普及推進 を行 う
問題点 の整理 と改善 保守・普 及 活 動
保守・普 及 活 動 保守・普 及 活 動 マスタの標準化整備
と普 及 活 動
入院医療包括評価 に関 わるマ スタの検 討
・官 を含 めた電 子 点 数 表 仕 様 W Gを 継 続 し、新 体 系 へ 移 行 等 、スムーズ な導入が行える環境作 りを行 う
・新 体 系 へ 対 応 したコストデータ収 集 仕 様 検 討に参 画
・DPCコードと点 数 設 定 見 直しへの対 応
新体系 へ対 応したコストデータ 収 集 仕 様 検 討 に参 画と病 院 範 囲 拡 大 に伴 うベンダへ の実 装 支援
DPCコードと点数設定見直 し への対 応
運用しての課題 の整 理 必 要 により関 係 機 関 へ 意 見 具申
メッセージ交 換 仕 様 の実 装 に 向けての調査研究 (医事 システ ムの範囲)
・基盤整備 の為 の標準化へ の参 画
・オープンシステム化/マルチベンダ 化によるサブシステム相互運用性 の 確保
・各委員会 の横 断 的(W G の設 立 等)な検討
・現状の整理と標準化 の検 討
患 者 情 報(入 退 院 歴、受診歴) の交換規約へ の参 画
利 用 者 情 報、病 名 情 報 の 交 換規約へ の参 画
予 約 情 報(診 察 予 約)の交 換 規約へ の参画
開発/実 証 を踏 まえた標準 イ ンターフェースの普 及 推 進 標 準 化 を中 心 とする共
通 基 盤 の 確 立 の た め の課題
医 療 に お け る標 準 化推進
海外標準化動向 の調 査 ・標 準 化 推 進 に活 用 できる適 用 情 報 の収集 /分析 /共 有 化
・海外 DRG導 入 状 況、標 準 化 関 連 学 会・セミ ナ等への調査団派遣
・状況の取 り纏 めと共有化(文書化/ 報告会)
海 外 DRG導 入 状 況 の調 査 団 派遣
調査報告書作成、報告会開催
海 外DRG導入状況 の調 査 団 派遣
調査報告書作成、報告会開催
海 外 標 準 化 関 連 学 会 へ の調 査団派遣
調査報告書作成、報告会開催 推進活動 の展 開(医科・調剤) ・全 都 道 府 県 に対 しての説明会 を完
了する
・会員への普及推進活動
・計画的な説 明 会へ の参画
・研修会 の開 催 等による普及推進活動
説明会へ の計画的な参 画 会員へ の研 修 会の開催
説明会へ の計画的な参 画 会員へ の研 修 会の開催
説明会へ の計画的な参 画 会員へ の研 修 会の開催
国 の公 費 と自 治 体 公 費 制 度 と の整合 に向 けた取 り組み
・自 治 体 公 費 制 度 に対応 できる記 録 条件仕様 の確 立
・記録条件仕様 の標 準 化に向けた提言活動
・新記録条件移行支援
課題の再整理 と改善策提言 実運用 での実証
普及推進活動
運用しての課題 を整 理 必 要 に 応 じて 関 係 機 関 へ の 意見具申、他制度 への拡大
運用しての課題 を整 理 必 要 に応 じて関 係 機 関 へ の 意見具申、他制度 への拡大 歯科レセプト電算処理システム
推進に向けた活 動
・平成18年度 までに全国運用開始
・主要都市 での説 明 会へ の参画
・会員への普及推進活動
・歯科レセ電 検討W Gへ の積極的参画 と協力
・各種仕様 の整備 /確定支援
・会員への研修と意 識 高 揚
実運用 に向けた技術的課題 の整理 と会員 への支援 パイロットスタディの実 施
運用しての課題 を整 理 普及推進 方策 の検討 会員へ の研 修 会の開催
説明会へ の計画的な参 画 会員へ の研 修 会の開催 レセ電算処理 システ
ムの普 及 推 進
審 査 支 払 機 関 等との オンライ ン請求 への取組み
・本 格 的な実 運 用 に向けた技 術 的 検 討と提言
・会員への普及推進活動
・実用に向 けた検 討 会へ の参画
・実運用 に向 けた技術的課題 の整 理と会員 へ の支援
本格的 な実運用 に向 けた技 術 的 課 題 の整 理と会員 へ の支 援 普及推進活動
運用しての課題 を整 理 必 要 に 応 じて 関 係 機 関 へ の 意見具申
運用しての課題 を整 理 必 要 に応 じて関 係 機 関 へ の 意見具申
事 業 環 境の改善 と市場 拡大のための課題
診 療 報 酬 制 度 や 介 護 保 険 制 度 とIT化 推進に伴 う改 善
「保 健 医 療 のIT改 革 」の立 場 から改定対応 と環境改善
・定 例 的な具 体 的 意 見 具 申 のできる 場の設 立に向けた働 きかけ
・自 治 体 公 費 制 度 のスムーズな改 定 対応
・厚 生 労 働 省 及び 審査支払機関、ME DIS- DC 等との意 見 交 換 の定例化 に向 けた仕 組み 作 りの提言
・改 定 時 の確実 なシステム対 応 のために関 係 機関へ の継 続 的な依頼
・自治体毎 の公費制度 のパターン化
関係機関 との協 議 会 等 の設 立 と具体的意見 の具申
自 治 体 公 費 制 度 情 報 の継 続 的収集と整理
関 係 機 関 との 協 議 会 等 の 定 例開催
自 治 体 公 費 制 度 情 報 の継 続 的収集と整理
関 係 機 関 との協 議 会 等 の 定 例開催
自 治 体 公 費 制 度 情 報 の継 続 的収集と整理
会員サービス 会員へ の情報提供 会 員 サービスの質 的 向 上 と安 定提供
・安定した情報提供体制 の継 続
・改定時 のタイムリー かつ正 確な情 報
・アウトソーシング先 との提 供 情 報 内 容 ・運 用 方法の整理と友 好 関 係の継続
平 成 18年 4月 の介 護 保 険 改 定/診 療 報 酬 改定 に向けた課
平 成 18年 4月 の介 護 保 険 改 定 / 診 療 報 酬 改 定 での課 題
平 成 20年 4月 の介 護 保 険 改 定 / 診 療 報 酬 改 定 に向 けた
4−3標準化・医療システム関連事項 1)背景
ISO/ T C 215( 医療情報)が活動を開始して以来5年が経過し、ベッドサイドモニター 機器のインタフェ ース標準や保健医療分野の PK I(Public K ey Infrastructure、公開鍵基盤)の利用ガイドなど国際標準も 開発されつつある。ISO/ T C 215 の狙いは、人々が国境を越えて移動する国際化の時代を背景に、患者 の診療情報などを、国境を越えて共有する仕組みを整備するところにある。医療制度は、従来各国の文 化を反映したものであり国ごとに異なるものであった。ISO では、医療制度に関わる仕様については 標 準を開発しないとしているが、診療録や処方箋の交換に関する議論に至っては医療制度の外延にあっ て制度に関わるものとなっている。そのため、工業会としても行政や関連する機関と連携して、国益に反 するものに関してはその成立を阻止、あるいは成立を遅らせる戦術を取る必要があり、その一方で国際 社会の一員として、標準の成立に貢献が求められてもいる。
H L 7 も、国際支部が次々にでき国際化の地歩を築きつつある。また、ISO 化に向けた動きも加速しよう としている。グローバル化が進む今日、医療情報も国境を越えて飛び交う時代がすぐそこまで来ている と言えよう。
これまで我が国の医療は規制に守られてきた。医療費が高騰し少子高齢化が進む今日、医療の聖 域視は不可能になりつつあり、行政もより効率的で効果的な医療の提供体制構築へとシフトせざるを得 なくなっている。このことは 世界の、より効率的でコスト対性能比のよいシステムへと目を向かせることとな り、日本国民としても医療情報の公開から始まって、より開かれた医療へと進ませる期待を大きくすること になるだろう。すなわち、日本の医療情報システムも国際連携ができるものへと変質を迫られることにや がてなるものと思われる。工業会としてもこれを可能とするシステム構築の基礎となる国際標準へのより 敏感な対応が必要となるのである。
一方、国内に目を向けても平成 13 年 12 月に厚生労働省から保健医療分野の IT 化を目指したグラ ンドデザインが発表され、平成18年に400床以上の病院および 診療所の60%に電子カルテが導入さ れることが目標とされている。この目標を達成するに当たり、医療システムのコストが阻害要因として上げ られている。そのため産業界にあっては適切な競争の下に、よりよいシステムをより低価格で提供するた めに HL 7 や DIC OM など標準規格をベースとしたシステム構築がその手段の一つとして求められている。 標準規格はコスト低減ための施策のすべてではないが、優秀な SE に限りがある今日、またシステム仕 様を自ら掲げることが困難な医療機関が多いわが国にあっては、情報交換など医療業務システムの本 質に関わらない部 分に関してはできるだけ手間 を掛けないために標準 の採用は必須と考 えられてい る。
2)方針
(1)医療情報の国際標準化活動への参画
このような状況を背景に、J AHIS は ISO/ T C 215 や HL 7 活動に積極的に参加し、議論を先取りして 国内のシステム状況の整備を進め、わが国の医療状況に適合した標準開発への貢献を行い、また場 合によってはわが国にとって不都合な標準化についてはこれを阻止するなどの戦術を、国内外の機 関と連携して行ってゆく。この中期計画にあっては、行政機関や関連する学会と連携しならが、工業 会として、また国家としての利益を勘案しつつ、会員内外から優秀な人材を募り戦略的に対応を進め てゆく。同時に ISO/ T C 215 WG1,2 国内作業部会の運営、日本 HL 7 協会の運営を支援し効率的で 効果的な標準化作業を目指す。
(2)J A HIS 標準化の推進と標準の普及促進
J AHIS の大きな使命のひとつが標準化 である。グランドデザインが掲げる目標 を達成するため、 J AHIS は電子カルテの構築に関わる標準化ターゲットを戦略的に選択して標準化を進める。また電 子カルテは、グランドデザインにもあるように 標準的医療の開発や医療統計に利用されるべきもので あり、今後は国際的にも交換される情報となり得る。すなわち、元来カルテ情報は、個人情報としての
守秘性が要求される一方で内容の互換性が求められることになるであろう。そのため、標準的な電子 カルテ構築が急がれることになろう。幸い、平成 16 年度から経済産業省が「医療情報システムにおけ る相互運用性の実証事業」を立ち上げた。この事業を、J A HIS は、平成 16 年 1 月に厚生労働省との 間で合意を見た標準的電子カルテシステムの実現に向けた活動の中心におくこととする。この事業を 電子カルテ・システムの業務モデル等のモデル構築を厚生労働省 の標準的電子カルテシステム関連 研究と連携して進めることとする。モデルはユーザとJ AHIS 会員であるベンダとのコミュニケーションの ツールとしても必要である。また、この事業を通して得られる標準をベースとするシステム構築基盤の 普及にも努め、医療情報システムの標準化を推進する。また、必要に応じて我が国の医療 IT をよりよ く進めるまめの標準化活動を国際的な場でも行って行く。
(3)医療システム の安全で効果的な運用への IT 活用
医療経営にもIT の活用が期待されている。一方で IT の活用は情報の安全な利用に関して関心と 危惧を患者、医療関係者にもたらしてもいる。J AHIS は ISO/ T C 215 や HL 7 のセキュリティ関連の議論 を参照しながら医療情報システムのセキュリティ施策の検討を進めて行く。
一方、医療過誤は医療機関において対応策が検討され対応が始まっているが、IT の活用に関し ては十分には検討されていない。関係機関と連携して医療過誤に対する IT の寄与について検討を 開始する。さらに物流や病院経営支援など医業経営者への適切な情報提供可能なシステムの構築 につながるフレームワークの開発、また医療システムのリモート保守のためのセキュリティガイドの作成 などを行い、事業環境の改善と市場拡大につなげて行きたい。
(4)臨床ユーザとの交流促進
医療は多くの専門領域に細分されているサービス分野である。そのため医療の核心にシステムが 触 れるほど、情 報システムも医 療 の専門性 の要 求に応 えるものであることが求 められるであろう。 IHE - J などシステムの仕様の議論を医療側と工業界側とが協力して行う場も醸成されつつあるが、一 部にはまだ対等に議論をすることが困難な状況も見受けられる。
J A HIS は個々の会員が遭遇するこのような 状況を、特に臨床医療従事者を対象とした医療情報シ ステムに関する啓蒙活動や電子カルテなど医療の質に関わるシステム仕様の共同研究などを通して、 改善して行く。また、医療情報システムは医療制度とも密接に関係しているので、J A HIS は日本の医 療システムの将来像を行政や医療界と連携しながら描いて行く。
(5)他部会との連携促進
電子カルテの普及が進むにともなって、導入システムユーザとの間で軋轢が目立つようになってき た。この原因の一つにユーザのシステム導入に対する理解度が不足していることがある。導入に当た っての注意事項などユーザに理解を求める活動が必要と思われる。また、医療経営に焦点が当たる ようにもなった。このことは 、診療情報のみでなく、医療の経営的情報を集める仕組みが病院情報シス テムに組み込まれる必要性を示唆する。どのような指標が必要かの検討を始める。
(6)改正薬法への対応、システムの品質保証施策
平成17年 4 月に薬事法が改正される。これに伴い、「汎用画像診断装置ワークステーション」が医療 機器として明確な定義がなされた。IT を医療の現場で活用するに 際し生ずる諸 々の課題 について、先導 的な検討を行う。
また、ソフトウェアの薬 事 法への対応 が検討されていることに 伴い、医療情報システムの品質やシステム起 因の誤動作などに対する見方 が厳しくなるものと予想される。品質評価、品質保証施策などの検討も開始す る。
3)事業計画
スケジュール 標準化・医療システム
関連課題
取組みテーマ 目標 施策
平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成 19 年度
• データの互換性 Ø 最小データセット Ø データフォーマット策定 Ø 実証実験
• 利 用 者 情 報 (除 く権 限)
• 患者情報(基本情報)
• オーダ情報(処方)
• 検査結果(検体検査)
• 患 者 情 報(感染症 、ア レルギ情 報 、入 退 院 歴 、 受診歴)
• 病名情報
• 実証実験
• 利用者情報(権限)
• 検 査 結 果 (レ ポ ー ト、 参照画像)
• 実証実験
• オーダ情報(生理)
• 検査結果(生理波形)
• 予約情報(診察予約)
• 実証実験
• データの閲覧・利用性
Ø 問い合わせメッセージ設計 Ø 実装ガイドライン策定 Ø 実証実験
• 患者情報(基本情報)
• 検査結果(検体検査)
• 病名情報
• オーダ歴(処方)
• 実証実験
• 患 者 情 報(感染症 、ア レルギ情報、受診歴)
• オーダ歴(検体検査、 受診歴)
• 検 査 結 果 (レ ポ ー ト、 参照画像)
• 実証実験
• オーダ歴(生理)
• 検査結果(生理波形)
• 実証実験
• システムの相互接続性 Ø データ交換規約 Ø 実装ガイドライン Ø 実証実験
• 放 射 線 検 査ワークフ ロー
• 臨床検査ワークフロー
• 実証実験
• 病理検査ワークフロー
• 内視鏡検査 ワークフロ ー
• 循環器検査 ワークフロ ー
• 実証実験
• 患者紹介ワークフロー
• 外来診療ワークフロー
• 実証実験
• 外来診療ワークフロー
• 実証実験 相互運用性 の実証事
業
医 療 情 報 システムの相 互 運用性確保
• システム共通基盤 • シングルサインオン・ I/ F 仕様策定
• シングルサインオン・ 接続実証
• 属性認証基盤の策定
• 属 性 認 証 基 盤 対 応シ ングルサインオン接 続 実 証
• セキュリティポリシの策 定
標準化ロードマップ に従っ た標準化活動の推進
• 相互運用性実証事業との連携 • 経 済 産 業 省 相 互 運 用 性実証に必要な標準規約 の策 定 (セキュリティも含 む)
• 経 済 産 業 省 相 互 運 用 性実証に必要な標準規約 の実 装 と評 価 、相 互 運 用 性実証範囲の拡大
• 相 互 運 用 性 実 証に必 要な標準規約の拡張
• 中核医療機関 、かかり つ け医 、福 祉 施 設 の連 携 に必要な標準規約の検討
• 標 準 化 維 持 体 制の構 築へ向けた検討
標 準 ベ ー スのシステ ム構築
J A HIS 標準化活動の 推進
標 準 的 電 子 カルテ構 想 に 基づくモデル開発
• 電子カルテシステムモデルの開発 • 電子カルテシステムモ デ ル の開 発 (電 子 カルテ 定義、MDA に基づく業務 フロー・情報 ・処 理 各モデ ル の開 発 、および モ デ ル 間参照環境の整備
• 電 子 カ ル テ シ ス テ ム モデル V 2. 0 開発
• 標 準 的 電 子 カルテ普 及策の策定
• 標 準 的 電 子 カルテ普 及 策 に基 づ くモデル整 備 と普及活動
• 標 準 的 電 子 カルテモ デルの更新
医療システムの IT 化 推進
医療過誤への対応 IT の医療過誤への寄与ガ イドライン策定
システムの品質評価、保証 施策
• 標 準 的 電 子 カルテ関 連 研 究 との 連携
• 医療機能評価機構との共同研究
• 医 療 安 全 の 定 義 、IT の活用スコープ
• システムの品質評価、 保証施策検討着手
• 医薬品を対象に、 Ø IT でどこまで Ø 本来どうあるべき Ø 標準化項目洗い
出し
• 医 薬 品 に関 す る医 療 安 全 に係 わるデータベー ス整 備 について、関 係 機 関へ答申
• 18年度の答申結果に 基づき方針を検討
4−4保健福祉システム関連事項 1)背景
少子高齢化が諸外国に類を見ないスピードで進展する中、医療保険制度の抜本的改革が検討さ れている。また、入院期間の短縮、急騰する老人医療費の圧縮など医療費抑制策が避けられない状 態である。このような 環境のもと、「健康日本21」など健康維持増進活動の奨励、病気になる前の「予 防」、そして高齢者向けの「介護保険」など、保健・医療・福祉の広範囲での地域ぐるみの対応が求め られている。
また、医療保険の範囲でも、診療の質を確保しつつコストを低減するための「医療機関の機能分化」
「医療機関間および医療・介護連携」が厚生労働省主導のもとに進められている。
このような 環境においてコストの高騰を防ぎつつ保健・医療・福祉サービスの質を確保するには、施 設間における連携に情報システムを活用することが有効である。また、昨今の保健・医療・福祉を取り 巻く環境は大きく成長が見込まれ、他業種からも参入が予測され「健康サービス産業」創出の動きが ある。一方、健保組合の財政的問題を背景として、政府の規制改革、また経団連からの意見書などで、 健保組合は本来の保険者機能を発揮すべしと提言されている。したがって医療給付費の支給はもと より、被保険者の健康増進などにおける保険者/健保組合の役割は今後増大する。将来的には、保 険者をも含めた地域医療情報ネットワークの形成が期待される。
これらの健全な成長には、関係者による将来のシステムイメージ策定や、システム導入・利用に関 する社会的合意の形成、利用技術・データ交換規約や用語・コードの標準化などが必要である。 2)方針
平成14年6月に設置された保健福祉システム部会であるが、その後の時代変化に対応し、平成16 年6月に、3委員会(地域医療、健康支援、福祉)、2プロジェクト(地域包括ケア、健康サービス産業 創出)に再編した。委員会/PJおよび WGのメンバーを見直し・再募集し体制強化 を進 めることとし た。
(1)地域包括ケアの拡充支援
①生涯健康情報管理の概念普及
個人にかかわる保健・医療・福祉データが本人のものであるという観点から、多様な施設で保存さ れている個人の健康情報を当人の健康のために活用できる仕組み作りが必要である。これが実現 すれば、保健医療福祉サービスの効率化が進むと共に、その仕組みを支える情報システムに対す る需要が喚起される。しかし、関係省庁間 での合意形成までの道のりが遠く、また情報技術適用の ための環境整備(健康手帳ICカードやHPKIなど)の課題も多く、業界としての課題抽出と各省庁 に提案できる具体的テーマの作成が急がれる。
②地域包括ケア情報連携
診療情報、介護情報、健診・健康管理情報などの健康記録は、まず本人の健康のために大いに 有効に利用されるべきであるが、現状では制度や施設が異なる場合の相互利用には大きな制約が ある。そこで、技術的には健康手帳が、制度を横断する共通アーキテクチャとして、業務連携を支 援する電子健康記録に発展することを推進する。その手段の一つとして、具体的なユースケースを 満足する地域包括ケア連携システムを実現していく必要がある。この技術的な方向付けの中で、平 成14年に地域包括ケア情報連携プロジェクトが発足し、以来患者紹介状の電子化を目指して周辺 の法規・制度の調査、業務フロー検討など紹介状交換仕様書の策定準備を推進して来た。
味でも、当プロジェクトとしては、HL7V3モデルの活用を前提にプロジェクトを継続して推進する。 さらに、上記の標準化活動と連携して、健康記録システムの導入が促進される状況を誘導するよ う、厚生労働省に働きかけることも必要と考えている。
③診療情報の地域共有データベース
個人の生涯健康情報管理 へ至る、診療情報提供書/紹介状の次のステップとして、診療情報の 地域共有データベースがある。各医療機関で作成された電子カルテ、医用画像、診療情報提供書、 その他の情報を地域共有のデータベースに格納し、これを共通的に利用する。
厚労省グランドデザインや e- J apan 戦略で「患者の医療情報を医療・保健機関間で連携活用で きる仕組みを確立する」ことを謳っている。また、経済産業省:ME DIS- DC の地域医療情報化事業 などでいくつかのプロジェクトが離陸 を始めている。海 外に目 を転じても、米国 のNHII、英国 の HPfIT 等、個人健康情報の統括管理を含む医療情報のIT化を推進している。
個人情報保護に基づくアクセス制御、セキュリティの確保、関連医療機関の連携方法等を課題と して、業務フロー の分析、システムのモデル作成、標準化課題の抽出と推進を行う。
④健保システム
健保財政の悪化に伴い、保険者の医療費効率化への意識が高まりつつある。その対応として、 一つは医療費の支出を厳密に評価していこうという方向がある。これまでは、医療機関からの審査・ 支払機関経由の診療報酬請求(レセプト)内容に応じてほぼ自動的に支払いを行 っていたが、今 後は保険者で直接一次審査を行い、支払額を削減していこうという動きである。さらに保険者が医 療機関と直接契約して、医療費を割り引いていこうという方向もある。現状は政府の規制改革の対 象としてあげられている段階で、具体的な実施にはまだ制約が多い。しかし早晩解決されていくこと を期待している。
もう一つは、医療費の支出を本来的に減らす方向である。すなわち被保険者(及び被扶養者)の 健康増進をはかり、結果として医療費を減らす。各健保組合では、これまでも健康診断等を通じて ある程度その努力 をはらっているが、今後は健康サービス産業他と連携して、体系的な健康増進 をはかっていくと思われる。
以上のような 新しい動きに対応して新システムの需要が期待される。パイオニアとなる先進的健 保との協力を進め、新システムのイメージ・仕様の具体化、それに基づく技術の標準化を進める。
(2)健康支援システム
医療費の増大等の背景から健康維持増進活動支援への社会的にニーズが拡大しつつある。在宅 健康支援サービスは保健センター 等の自治体機関だけでなく、民間でもパイオニアによる市場開拓 は実施済みである。技術面では、モバイル・ウエアラブル技術とセンサー技術の円熟により市場ニー ズへの対応は充分可能となってきた。このような状況に、厚生労働省では、健康日本 21 運動の推進、 健康増進法の施行等、経済産業省では健康サービス産業創造・育成等の施策を推進している。また、 国民自身の観点から考えると、医療費の自己負担増、年金支給額の減少等、高齢期の生活に対す る懸念が顕在化してきており、自身の健康寿命の延伸にこれまで以上に関心が高まるものと思われる。 このため、J A HIS は前記施策や潜在ニーズに対し情報通信システムの利活用提案、その標準化等を 推進し、当該分野で主導的な役割を果たす責務があると考える。
「健康情報項目」および 「健康データ交換規約(XML)、「学童検診項目/老健法ヘルスアセスメン ト問診データ交換規約」等の標準化に向け活動する。
(3)健康サービス産業創出
J A HIS は8年にわたって在宅ケア支援システムの普及に努めてきた。また、2002 年 6 月には、特 に、経済産業省の健康サービス産業創造・育成等の施策を支援すべく、ホームヘルスケアプロジェク トを設置して活動してきた。更に、本年 7 月に健康サービス産業の創出にテーマを絞った「健康サー ビス産業創出プロジェクト」に改名し、支援体制を強化した。今後も、経済産業省、厚生労働省等の 施策と連携して、健康サービス産業の創出に向け活動していきたい。
具体的活動としては、
① 「健康サービス産業振興機構」との窓口機能 ② 健康サービス産業創出に関する活動の企画・提案
③ 健康サービス産業創出に関する情報システムの企画・提案・標準化の推進
情報システムの企画・提案・標準化については 、当面、「健康情報項目」および 「健康データ交換規 約」の標準化と、「E BH 研究センター (仮称)」構築に向けた環境整備等の提案を行なう。
(EBH:Evidence Based Healthcare promotion)
(4)福祉システム
①介護保険
介護保険制度は、レセプトの請求に関しては電子化を前提としてシステム構築されたが、請求に 至るまでの事業者間の情報交換につては電子化がされておらず 、事業者の業務効率向上を妨げ ている。また、これらの情報を関係者で共有することにより要介護者へのサービス向上も期待できる ほか、保険者にとっても保険運用上の有益な情報を得ることも可能になる。
J A HIS では、過去数年にわたりこれらのデータの標準化を行ってきたが、今後は平成18年の制度 の抜本見直しを視野に入れ、この標準の普及を推進することにより、介護保険市場の拡大と高度な 情報化の実現を目指す。
②障害者支援費制度
平成15年4月から運用された障害者支援費制度は、準備期間より厚生労働省に対し J A HIS が 協力し、情報化に必要な概念設計やコード等の標準化を行ってきた。今度は介護保険との統合化 も視野に入れ、業務支援のための情報システムに関係する制度改定等への対応を行う。